手術や検査に対するよくある質問


Q 痔の日帰り手術はなぜ可能なのですか?


A 現在外科治療の潮流はもともと人間に備わった組織(機能)を温存し必要最小限の侵襲で根治性を求めていくという治療理念です。それは肛門分野においても例外ではありません。従来内痔核の手術として確立されたLE法(結紮切除法)は根治性の高い優れた方法でしたが、やはり術後の痛みや出血の問題があり、日帰り手術には不向きとされていました。いかにそこをクリアーし、より安全で根治性のある新しい治療を作り出していけるかが肛門科医の大きなテーマでありました。そうした中、平成16年4月から保険適応されたALTA(商品名・ジオン)は内痔核に注射を打って治してしまうという画期的な治療法です。今までの手術に比べると、あまりにも簡単で、本当にしっかりと治すことができるのか?あるいは、なにか落とし穴があるのではないか?という点が懸念されてきましたが、臨床で約18年を経過した現在、術後の合併症もほぼコントロール可能な範囲であることがわかり、しっかりとした効果を示す治療法だということで学会でも評価が固まりつつあります。


Q 痔の新しい注射薬ALTAとはどんな薬ですか?


A ALTAは中国において古くから使われていた内痔核の硬化療法剤「消痔霊」という漢方薬の成分をもとにして日本で製剤化された新しい内痔核治療薬です。主な成分は硫酸アルミニウムカリウムとタンニン酸です。硫酸アルミニウムカリウムが血液を凝固させ、組織に炎症を起こしタンニン酸がその作用を緩和コントロールする働きをします。薬液を注入することで3~4週間で痔核を退縮縮小させます。


Q どんな痔でも注射で治りますか?


A ALTAが有効に作用するかどうかは、単なる痔の大きさや脱出の程度で決まるわけではなく、痔の組織成分によってほぼ決まってきます。血管性成分の多い内痔核にはよく効き、繊維性成分の多い外痔核には有効ではありません。たとえ外痔核でも、血管性成分に富んだものであれば、縮小効果、内側へのつり上げ効果を期待できます。通常の繊維性成分の強い外痔核には一部切除を加えます。大きな内痔核で、繊維性成分を伴ったものも一部切除を加えて注射療法主体で治療します。こうすることによりすべてのタイプの痔に対し対処することができます。


Q 内痔核日帰り手術の費用はいくらですか?


A ALTA(ジオン)単独による手術では、薬品代を含め健康保険本人負担(3割)で23000円程度です。一部切除を伴う場合は、内痔核根治術に準じ25000円程度です。


Q 手術中やその後の痛みが心配ですが?


A ALTA(ジオン)による手術は、肛門の内側にある内痔核に注射を打ちますが、この部分には本来痛覚がありません。ですから、針を刺しても強い痛みを感じることはありません。ただし、肛門鏡を挿入するだけでも痛みを訴えられる方はいますので、万が一手術中に強い痛みを訴えられた方には静脈麻酔にて痛みをコントロールします。通常、術後に強い痛みが持続することはありません。普段どおり排便しても、特に痛みは感じません。


Q ALTA(ジオン)手術は再発しますか?


A 当院におけるALTA手術は、令和5年までで約10000例行っていますが、術後経年的に毎年1〜2%程度の再発がおこります。術後15年経過の長期観察例では、約17~8%の再発率となります。注射の量が少なかったり、効かない部分が残ったりした場合の再発には、ALTAの追加注入により改善させることができます。痔核の線維性成分が多かったことによる再発に対しては一部切除を行って対処します。


Q ALTA(ジオン)手術は火、金曜日以外は無理ですか?


A 基本的に火曜日・金曜日の午前中が手術日となっていますが、ご都合でそれ以外の日がよいという方もいらっしゃいますので、可能な限りご相談に応じます。


Q 痔ろうの日帰り手術について教えてください?


A 痔ろうの手術の麻酔は腰椎麻酔で行います。十分に痛みをとり筋肉を弛緩させた状態で、正確に観察し、正しい処置をするためです。痔ろうの感染、瘢痕組織を除去し、原発口(1次口)から2次口へゴム輪を通すコアリングアウト・シートン変法や肛門上皮内括約筋を温存して瘻間を切除するLIFT変法を行っています。肛門後方の低位筋間痔瘻には、lay open法、後方深部複雑痔瘻に対しては、Hanley変法とシートン法を組み合わせた手術を行っています。当院では、開院以来すべて日帰りにて痔ろう手術を行っています。


Q 大腸内視鏡検査の費用はいくらですか?


A ポリープ切除しない場合は健康保険本人負担(3割)7000円程度、ポリープを切除した場合は20000〜30000円程度です。(短期滞在手術加算、病理診断費用を含む)


Q 大腸内視鏡検査は痛いと聞きましたが?


A かつて大腸内視鏡の検査は、時間のかかる苦しい検査だと思われていました。現在もそう思っている患者さんは、案外多いかもしれません。しかし、内視鏡挿入術の進歩により、(一部の例外を除き)ほとんどの患者さんに強い苦痛を与えずに5分程度で検査を行うことが可能となりました。検査時には軽い麻酔を併用し、よりリラックスした状態で検査ができるように心がけております。


注:一部の例外というのは、手術既往があり腸の癒着が著しい方や、生まれつき腸が極端に長い方、憩室が多発し、腸が硬くて細い方などが考えられますが、いずれも麻酔薬を適宜調節することにより無意識な状態で検査遂行できます。


Q 大腸内視鏡検査はどれくらいの件数やっていますか?


A 一日10〜12件、年間約2000~2500件のペースで行っています。


Q 内視鏡検査はどれくらいの間隔でやるとよいですか?


A 大腸癌の場合、ほとんどが無症状で経過しますので、なにか症状があった時にはむしろ遅いといえます。当院では特に症状が無くとも通常、胃内視鏡検査は1年おき、大腸内視鏡検査は2年おき(大腸癌で手術された方は1年おき)に検査を受けることをお勧めしています。


Q その日に行ってすぐに胃の検査はできますか?


A 緊急性のあるものは、可能な限りすぐに検査を行います。緊急性のない場合でも、朝食を取っていない状態であれば、必要に応じて可能な限り対応します。


Q 経鼻内視鏡はやっていますか?


A 原則的には従来の口からの内視鏡を、麻酔を使って苦しくないように行っていますが、希望される方には経鼻内視鏡も行っています。


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