内痔核手術について |
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開院から数年間はメスで切って縫合するというLE法と半導体レーザーを併用した手術を行っていましたが、平成17年12月から、ALTA(ジオン)という新しい薬剤を使った注射療法で、すべて内痔核手術をおこなっております。ALTAの手術を積極的にお勧めするのは、簡単で安いからという安易な理由ではありません。必要最小限の侵襲で、しっかりした効果を出せる治療であることが症例を重ねたことで確認できたからです。一口にいぼ痔といっても内痔核の大きさや脱出の程度、その組織成分、また外痔核や肛門ポリープの併存などそのタイプは多岐にわたります。ALTAが有効に効く部分と効きにくい部分がありますので、それらを正確に把握し、効かない部分には一部切除も併用してすべてALTA中心の手術で対応することができます。もちろんすべて日帰り手術が可能です。現在全内痔核手術においてALTAのみの手術が約75%、ALTA+一部切除併用手術が約25%です。 |
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痔瘻手術について |
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痔瘻は肛門内部に感染を起こし、肛門内部から肛門周辺部に膿のトンネルを形成する病気です。そのトンネルの走行や深さなどで状態はかなり変わりますが、治療の原則は膿のトンネルの原因となった1次口といわれる原発巣を確実に処理することです。その部位を正確に確認し、いかに処理をするかということが、痔瘻手術のすべてといっても過言ではありません。痔瘻手術の難しさは再発率の高さからも示唆されますが、その原因のほとんどが1次口の部位を正確に処理できていないか、あるいは縫合閉鎖することにより術後にその部が裂けて再開通してしまうことにあると思われます。当院では術中の十分な触診視診と色素やオキシドールの瘻管注入により1次口を正確に確認することと、シートン法と呼ばれるゴム輪挿入法により原発巣部を切除掻爬後、縫合閉鎖することなく処理するため、再発が少なく、術後の疼痛も軽度です。内痔核手術にみられるような術後晩期出血もなく、日帰り手術も十分可能です。 |
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直腸脱手術について |
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加齢により組織支持力と肛門の収縮力が弱くなり、直腸が肛門から垂れ下がってくる病気です。当院ではGants-Miwa Thiersch法といわれる手術法で肛門部から直腸粘膜を縫縮し還納させ、肛門部皮下にテープを通し、肛門を指が1.5本ほど入る太さまで縫縮します。粘膜の縫縮に対しては内痔核硬化療法に用いるジオンを粘膜下に注入することにより糸で縫縮するのと同様の効果を得ることもできます。術後の痛みも少なく、日帰り手術に適した手術といえます。 |
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鼠径ヘルニア手術について |
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いわゆる脱腸といわれる病気で、以前はMcvay法や、iliopubic tract repair法といった糸で筋膜を縛り縫縮補強する方法がとられていました。当院では、PHS法(あるいは3D-patch法)という新しい手術法で日帰り手術を行っております。これはヘルニア嚢を根部にて結紮切除し還納させた後、PHS(あるいは3D-patch)という特殊なメッシュの網で被覆固定し、再発を起こさないように補強するという方法です。術後の疼痛は軽度で特に安静の必要もありません。 |
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